私が製造業の基幹システムに関わるようになった1995年頃、まだ「ERP」という言葉は浸透していませんでしたが、某電機大手の生産管理システムにTrimcs(LNの元となったERP)を採用することになりました。
ERPをERPとして使うのではなく、パッケージが持っているMPS、MRP機能をベースに機能追加、改造して工場全体の生産管理システムを構築するという構想です。
それまでは主に会計・人事系のシステム開発を中心に関わっていましたので、生産管理システムとしては初めての経験でした。そして、会計・人事系のシステムと生産管理系システムとの大きな違いを知ることになります。
<会計・人事系システム>
・目的は省力化
・法令、規制に合わせることが重要
・機能よりもコスト
・ユーザーに女子が多い
<生産管理システム>
・目的は様々
・ROIを出すことが重要
・機能要件に限界が無い
・ユーザーはおっさん
私の会計・人事系システムから生産管理系システムへの経験というのは、非常に運が良かったと思います。現在の成熟した(機能満載の)ERPの全体を理解して、それに関わる業務を仕事とすることは非常にハードルが高いと思いますが、私は一歩一歩階段を上るように経験を踏むことが出来ました。
ところで、プロジェクト中の一番の思い出と言えば・・・工場の独身寮を使わせて頂いていたのですが、久しく使用していない部屋だったので夜はチューチューとネズミの運動会、と思いきやコウモリが住み着いていました。
次回は、「ERP」という言葉が浸透し出し、若造だった私が偉そうにゴタクを並べていた頃の話を書いてみようと思います。