2014年5月30日金曜日

【LNよもやま話 #15 見た目と操作性】

現在は「Infor LN」と呼ばれているERPですが、このERP20年以上前に誕生してから数度の名称変更を経て現在に至っています。その間に業務機能的な機能拡張と合わせ、技術的な進歩も続けています。

そこで、今回は「見た目と操作性」に絞って、その変遷を振り返ってみたいと思います。

1.Triton(~1990年代半ば。日本国内ではTRIMCS

基本的にはUNIXサーバー上で動作していたので、VT端末もしくは端末エミュレータを介して操作。当然キャラクターベースのユーザーインタフェース(CUI)。グラフ表示は「*」の数で表現していました。メニューには数字が並び「1. マスタ 2. 販売物流 3. 製造」という感じです。操作性も汎用機のそれと近く、汎用機から移行しても違和感は少なかったかと思います。

2.BaanIV1990年代半ば~2000年頃)

Windows95の出現により、企業のコンピュータ端末として急速にWindowsPCが普及しました。BaanIVには「BWBaan Windows)」というクライアントソフトウェアが付属し、BWを介してERPを操作していました。出現当時、他のERPは、前述のCUIベースの操作画面が多かったなかで、「グレーのウィンドウ上でアイコンをクリック、グラフやチャートも表示」というグラフィカルベースのユーザインタフェース(GUI)は画期的でした。マウスに馴染んでいないご年配の方は、マウス操作に四苦八苦していましたが、学生時代からPCに慣れ親しんでいる世代には当然の操作性でした。

なお、そのような「マウス嫌い」の方向けにCUI(「BABaan ASCII)」インタフェース)でも操作できるようになっていました。

3.Baan51990年代後半~2000年代半ば)

「一人に一台のPC」という時代に突入し、マウス嫌いを公言するような人も少なくなり、前述のBWBaan Windows)でのGUI操作が基本になりました。ショートカットキーをWindowsOSと統一し、ERP上のデータを「Ctrl+c」でコピーし、Excelに「Ctrl+v」で貼りつけるような操作も可能になりました。

また、インターネット(Webブラウザ)の普及により、Baan5にもWebブラウザベースのユーザインタフェース(「BIBaan Internet)」)が出現しましたが、当時の技術レベル(ハード、ネットワーク)では、とてもレスポンスが悪く、本番運用で使用された例は少なかったかと思います。

4.LN2000年代半ば~)

インターネット(Webブラウザ)技術の発展にともない、LNのユーザインタフェースもjavaをベースにしたWeb UIWebTop)になりました。適切なWebサーバーを使用し、適切なチューニングをしていれば、C/S方式とのレスポンスの差はほとんどなくなりました。

また、先ごろ(javaではなく)HTML5をベースにした、新しいデザインのWeb UI(「LN UI」と言います)も発表されました。これによりクライアントPCへのjavaのインストールを不要とし、各種ブラウザ、OS、デバイスへの幅広い適用が可能になりました。


Infor LNは、「製造業の基幹業務システム」という地味なシステムですが、その時々のテクノロジーを取り入れて「いかにユーザーフレンドリーに操作性を向上できるか?」という視点でも成長を続けています。