2014年2月5日水曜日

【製造業の基幹システム #9 ERPを「ERP」として使う】

大企業、中堅企業には「ERP」が普及してきましたが、ERPを導入済の会社の中でERPを「ERP」として使っている会社はどれ位あるのでしょうか?

改めて言うことではないのかもしれませんが、ERPとは「Enterprise Resource Planning」です 。直訳すると「企業資源計画」とでもなるのでしょうか?私は、それぞれの単語の中に「ERP」の本質があるかと思っています。

Enterprise

CompanyではなくEnterpriseと称しているところがERPの本質を表しています。海外拠点を含む企業グループ全体、生産管理を含む企業の基幹業務全体をERPで管理している企業はどれ位あるのでしょうか?「グローバルで会計システムをERPで統一している」というのは、私にとっては本来のERPの定義とは異なります。

 

Resource

企業の資源とは何でしょうか?ひと昔前は「ヒト、モノ、カネ」という言葉が使われていたかと思います。ERPを導入していても「モノ」の管理は別の生産管理システムや倉庫管理システムで管理している企業が多く見受けられます。ERPは魔法の箱ではありませんので企業の全業務を枝葉末節までカバーしているのではありませんが(文書作成や表計算は専用ソフトを使った方がよっぽど効率的です)、企業内の基幹業務(すなわち、全ての枝が繋がっている「幹」の業務)においてはERPで管理することにより「ヒト、モノ、カネ」を効率的に管理することが出来るかと思います。

 

Planning

ERPは実行系のシステムと思われがちかと思います。では何故「Planning」という言葉が使われているのでしょうか?これもひと昔前の言葉で「PDCAサイクル:plan-do-check-actサイクル」というのが有りましたが、その「plan」するために必要なものは何でしょうか?占いでplanする企業にはERPは必要ないかもしれません。ほとんどの企業は「精緻で矛盾が無い実行データ」を元にplanしているかと思います。ERPは実行系業務を精緻で矛盾なく管理し、よりよい計画をする為の仕組みである、と私は思います。

※もちろんERP内にも様々な計画機能を持っています

 

以上、3つの単語を改めて考えてみた後で、もう一度質問です。ERPを導入済の会社の中でERPを「ERP」として使っている会社はどれ位あるのでしょうか?