LN最新版には、Content Pack(※)という業務フロー(システムフロー)のひな型をオプションで提供していますが、これは「LNの莫大な機能を漏れなく使う」ために有用なものです。
(※)以前はEBM(Enterprise Business Model:Baan5.0c~LN 10.2.0)、HLM(Hybrid Logistics Model:Baan5.0b)、Reference Model(BaanIV)と呼ばれていました。名称は変わっていても基本的なコンセプトは同一です。
実際のERPの実装においては、LNの機能だけで隅から隅までカバーできる訳ではないので、他のアプリケーションと連携したり、LNの開発ツールを使ってアドオン開発したりします。
よっぽどの変人ではない限りは「毎度毎度同じ機能を開発するよりは、前回作った方ものを流用したほうが楽ちん」と考えますし、「一度作った仕組みを上手く商品化できないか?」と考える人もいるか思います。
そのような理由で、いくつかのパートナーがBaanを「安く、早く、確実に」導入するためのテンプレートを開発しました。代表的なテンプレートをご紹介します。
※このブログは宣伝目的ではないのであえて社名は伏せます。また、ここで紹介したテンプレートは過去に作成されたものであり、現時点での適用を保証するものではありません。個人的な思い出話として捉えて下さい。
<<A社のテンプレート「飛龍」(BaanIV短期導入テンプレート)>>
A社は、古くからのBaanユーザーであり自社導入事例をベースにした導入パートナーでもあります。自社拠点へのBaanIV導入成功事例をベースに「これ、他にも売れるんじゃないの???」というA社側の思いと、当時のバーン日本法人の戦略が一致し「飛龍」という中国っぽい(?)名称で売り出しました。
まずは中国の日系法人へ売りだそうと「中国Baan事例巡りツアー」をやったり、真っ赤な(中国っぽい)販促グッズを作ったり色々やりかけたところでSAAS騒動が・・・。
A社はLNの導入パートナーであり、色々なお客様のプロジェクトに参画しています。今でも、A社のLN導入にはDNAとしての「テンプレート指向」があります。
<<B社のテンプレート(Baan5導入方法論&アドオンパック)>>
B社もA社と同様に古くからのBaanユーザーでありパートナーです。B社はエンタープライズアプリケーションに非常に力を入れ、「B社と言えばBaan、Baanと言えばB社」と言われていました。
1990年代、B社はBaanをなめ尽くすように研究していました。前回ご紹介したBaan導入方法論「Target Enterprise」や前述のContent Pack(以前は「EBM」「Reference Model」)についても、マニュアルがぼろぼろになるまで、しかも相当な人数で根ほり葉ほり研究していました。
そしてBaan5ベースのテンプレート(生産形態別業務・システムフロー&アドオンパック)を完成させました。私は実物を見たことがあるのですが、マニュアルだけでも超大作です。
LNは、単なる業務プログラムの集合体ではなく、コンセプトや方法論に基づいたERPですので上手く導入するパートナー様がいるからこそ、本来の価値が生きてきます。
私も時々「究極のテンプレート」を作ってみようかという衝動にかられます。1人で作ると100年かかるかもしれませんが。