はじめにお断りしておきますが、以下の文章は決してインドの方を誹謗中傷するものではございません。素直で単純な「純日本人」から見たインドの印象と捉えて頂ければ幸いです。
10年程前まではERP実装の仕事をしていましたので、様々なパートナー企業の方々と寝食を共にしました。その中でも思い出深いのは某インド系の会社との共同プロジェクトです。
ERPを導入するスコープは会計、生産、購買、販売、在庫、原価・・・という「基幹系業務」と呼ばれるほとんどの業務領域を日本の全生産拠点、全営業拠点、全物流拠点、そして海外の主要な生産拠点、販売拠点へビッグバンで導入するというものです。
主に開発や海外拠点導入などをインド系の会社へ委託していました。以前にもベトナムの日系企業へのERP導入をシンガポール人と一緒にやったり、ドイツ系やスイス系、シンガポール系(華僑)企業の日本法人へのERP導入を現地の方と実施したりしていましたが、色々な意味でインド系の方が一番印象に残っています。
<プロジェクトのはじめに>
プロジェクトの最早期にインド人2人を連れて、お客様の工場を訪問しました。夜に歓迎会を開いて頂いたのですが、某地方都市のカラオケ屋で「ボリウッド」の世界を堪能させて頂きました。音楽が聞こえると踊らずにはいられないようです。首を左右にクネクネする、あの踊りです。
<工場での食事>
2人のうち一人はベジタリアンでした。地方都市の工場の昼食は社員食堂以外の選択肢はありません。最初のうちはカレーの肉を除けて食べたり、うどんの麺だけすすっていたり(スープも魚介なのでダメ)しましたが、面倒になったのか朝の通勤時に食パンを一斤買って食パンばかり食べていました。
<インド人の女性>
さて、本社のプロジェクトルームに戻り沢山のインド人に囲まれて仕事をしていたのですが、一人のインド人女性は毎朝パソコンの横に生のニンジンを数本並べ仕事中にポリポリ食べていました。皮をむかずにそのまま食べるのですが、さすがにヘタは食べずに残していました。ヘタを毎日捨てるという習慣がないのか、次第にヘタの山が机の上に積み上がり・・・ヘタの山を見た日本人は「これ、なーに?」という感じで不思議がっていました。
<インド人のプライド>
日本のIT技術者は3Kとか5Kとか言われたりしますが、インドにおけるIT技術者の社会的地位は高く、とても仕事に誇りを持っている裏返しとして、とてもプライドが高いのです。お客様は日本人ですので、いつものIT技術者のつもりでインド人技術者と会話すると、彼らはカチーンときて巻き舌でまくし立てたりします。どこかの話で「国際会議において、インド人に黙らせることと、日本人に喋らせることほど難しいことはない」(出典不明)というのを聞いたことがありますが、まさにこの状態になります。インド人を激怒させた同僚の代わりに私が詫び状を書いたことも有りました。
<上下関係の厳しさ>
「ボスには絶対言わないで!!」とインド人コンサルタントに半泣きで言われたことが何回かありました。ある時、ご尊父がお亡くなりになられたインド人にも「ボスには絶対言わないで!!」と言われました。「仕事に身が入らないだろ?」とプロジェクトを外されるのを恐れていたからです。
<99×99>
「インド人は99×99の掛け算を暗記している」という都市伝説があります。プロジェクト中締めの飲み会で「この都市伝説って本当?」って聞いてみました。その人は「うーん、昔は覚えていたけど忘れた。19×19までなら今でも覚えている」と言っていました。インドでも地方によって99×99まで覚えたり19×19までだったり、まちまちのようです。
<言語>
インドの紙幣をご覧になったことがありますか?インドには多数の言語があるため紙幣には10以上の言語でずらーっと表記されています。日本にも方言がありますが、インドでは言語ごとに文字そのものが異なるので、このような表記になるのです。なので、様々な地方出身から集まったプロジェクトのインド人達はインド人同士でも英語でないと話が通じません。同じ言語を話す人同士は、その言語で会話したりしていましたが、その言語が理解できないインド人は仲間外れのようになっていました。
<インド人のプライド2>
さて、プロジェクトも終盤になりお客様へ色々と引き継いでいると、猛烈な剣幕でインド人に怒られました。「システム開発の引き継ぎをお客様にするな!」と。インド人にしてみればシステム開発をお客様ができる訳ないし、お客様自身が開発すると我々の仕事が無くなってしまう、と。気にせずにお客様へ引き継ぎましたけど。
次回は、製造業のグローバル化についての考え方の変遷の話を書いてみようと思います。