Infor10 ERP Enterprise (LN)は、その前身であるBaanの時代から「製造業向けERP」のトップレベルとして評価されていました。評価の元となったのは「ボーイング社、フェラーリ社などの世界トップレベルの製造業が他社ERPと比較検討して採用したERP」ということが一番大きいのかもしれません。
もちろん、
1. 複雑なことをシンプルに整理する(DEM: Dynamic Enterprise Modeler)
2. 変化に対して迅速にかつ柔軟に対応する(オープンなアーキテクチャー)
3. ROI(Application、Enterprise Server、Porting Setの3層構造によるTCOの削減)
という一貫したコンセプトとそれを実現するための製品機能が製造業に評価されたということが言えるでしょう。
それでは、日本の著名な製造業は全部Baan?・・・と思われる方がいらっしゃるかもしれません。それには「日本の」製造業におけるいくつかの特殊性を考慮する必要があります。
1. 合議制(個人的責任の回避)(シンプルなことを複雑に検討する)
2. 長いモノにまかれろ的判断(今までやってきたことが一番正しい)
3. IT部門と経営陣との距離がある(ROIではなく、コストと捉える)
エリヤフ・ゴールドラットの著書「チェンジ・ザ・ルール!」の序文に、「変化に対応するためのシステムとは、現在市場にあるシステムを1~2%のコード改変することと30%のコードを削除することで実現できる」とあります。
変化に対応するためには、シンプルにすることであり、その結果としてROIがあるということです。すなわち、最初に書いた「製造業向けERPのコンセプト」と同一です。
次回【LNよもやま話 #3 Baanが関連する書籍(仮題)】で、「チェンジ・ザ・ルール!」の他、Baan社およびBaanが登場する書籍や関連する書籍をご紹介したいと思います。