2012年7月27日金曜日

【LNよもやま話 #2 製造業のERPと言えばBaan】

Infor10 ERP Enterprise (LN)は、その前身であるBaanの時代から「製造業向けERP」のトップレベルとして評価されていました。評価の元となったのは「ボーイング社、フェラーリ社などの世界トップレベルの製造業が他社ERPと比較検討して採用したERP」ということが一番大きいのかもしれません。
もちろん、
1. 複雑なことをシンプルに整理する(DEM: Dynamic Enterprise Modeler
2. 変化に対して迅速にかつ柔軟に対応する(オープンなアーキテクチャー)
3. ROIApplicationEnterprise ServerPorting Set3層構造によるTCOの削減)
という一貫したコンセプトとそれを実現するための製品機能が製造業に評価されたということが言えるでしょう。

それでは、日本の著名な製造業は全部Baan?・・・と思われる方がいらっしゃるかもしれません。それには「日本の」製造業におけるいくつかの特殊性を考慮する必要があります。
1. 合議制(個人的責任の回避)(シンプルなことを複雑に検討する)
2. 長いモノにまかれろ的判断(今までやってきたことが一番正しい)
3. IT部門と経営陣との距離がある(ROIではなく、コストと捉える)

エリヤフ・ゴールドラットの著書「チェンジ・ザ・ルール!」の序文に、「変化に対応するためのシステムとは、現在市場にあるシステムを12%のコード改変することと30%のコードを削除することで実現できる」とあります。
変化に対応するためには、シンプルにすることであり、その結果としてROIがあるということです。すなわち、最初に書いた「製造業向けERPのコンセプト」と同一です。

次回【LNよもやま話 #3 Baanが関連する書籍(仮題)】で、「チェンジ・ザ・ルール!」の他、Baan社およびBaanが登場する書籍や関連する書籍をご紹介したいと思います。

2012年7月20日金曜日

【LNよもやま話 #1 LNの歴史】

不定期にInfor10 ERP Enterprise (LN)の役に立つ話、役に立たない話を投稿していきたいと思います。

第一弾はLNの歴史についてです。(●会社の歴史 ◎ERP製品の歴史 ○顧客の歴史)
2006 Infor社がSSA Global社を買収・統合
2004/08 LN出荷開始(以降はほぼ一年ごとにマイナーバージョンアップ)
2003 SSA Global社がInvensys社よりBaan社を買収・統合
2000 Invensys社がBaan社を(子会社として)買収
1999/04 Baan 5.0c出荷開始
1998/12 Baan IVc4出荷開始
1998/09 Baan 5.0b出荷開始
1998/03 Baan IVc2出荷開始
1997 ○コマツとの契約締結
1996 Triton 3.1b出荷開始
1994 ○ボーイング社との契約締結
1978 Financieel Managemant Begeleidingsbureau Baan (Baan会計コンサルティング事務所)を開業

気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、昔はBaan IVBaan 5.0を併売していました。現在のSyteLineLNの関係と似ています。1999年から2004年までは(休んでいた訳ではなく)特定顧客向けバージョンをリリースしていました。
さて、会計事務所として出発したBaan社はなぜ「製造業向けERPの雄」となったのでしょうか?これには創業者Jan Baanの実弟Paul Baanの存在が大きく関係します。つづきは【LNよもやま話 #2 製造業のERPと言えばBaan(仮題)】にて。

写真は、Tritonのベースとなった「Baan Manufacturing Contorol System」の機能構成です。(出典:HP CHANNELS April 1988