「LNバカ(Baanバカ)」の私は「Porting Set」って一般用語だと思っていましたが、「Porting Set」で検索するとLN関係、Baan関係ばかりヒットします。
LNのPorting Setの「Porting」も基本的には一般IT用語の「ポーティング」と同義です。すなわち「移植するためのセット」です。LNはWindows、UNIX(IBM-AIX、HP-US、Oracle-Solaris)、Linux(SUSE、Red Hat)で動作します。かつては、Tru64 UNIXやAS/400、OS/390、Z/OS、DYNIX_PTX、ReliantUNIX(SINIX)、IRIXなどでも動作しました。また、データベースとしてはOracle DB、SQL Server、Informix、DB2が使用できます。かつてはSybaseやBisam(Baan社製DB)なども使用できました。これらのOS/DBの組合せごとにLNを動作させる仕組みが「PortingSet」です。
これらのOSおよびDBに依存する機能(コンパイラ、帳票出力制御、SQL、など)のみをLN本体から切り離して独立させていますので、OS/DBの組合せごとにPortingSetは存在します。また、OS/DBのバージョンごとにもPrtingSetが存在します。
・・・ということは、、、賢いあなたは気付きましたね?
・UNIXで動作しているLNをWindowsへ移植する
・Windows 2003で動作しているLNをWindows2008環境へ移植する
・Oracleを使っているLNをSQL
Serverへ替える
ということが、PortingSetの入れ替えだけで行うことが出来ます。
・・・もっと賢い方は、こういう疑問をもったかもしれません。
・古いバージョンのLN(Baan、Triton)も最新のOS/DBで動くのだろうか?
正解です。なんと1996年にリリースされたTriton3.1bがHP-UX 11i v3とOracle11gR2で動作します。実際に某日本のお客様において、15年以上前のバージョンが数度のハードウェア(OS/DB)の変更を経て使用されています。
世の中に蔓延している「ERPって入れる時も大変だけど、バージョンアップも大変だよね」という都市伝説に対して、LNは「じゃあ、ERPをバージョンアップしなければいいじゃん」と言えるのです。
次号では「MIRACLE(Machine Independent Risc Architecture Computer Language Environment)から歴史が始まるLN技術のマニアックな話」を書こうかと。。。この号の続編になります。