2013年8月7日水曜日

【LNよもやま話 #11 1カ月でBaanを稼働した事例】


プロジェクト・キックオフから約1カ月で本番稼働した事例は日本ではもちろん、海外でも稀有な事例だと思います。このプロジェクトに最初から本番稼働まで関わっていた生き証人として、本番稼働までの過程をご参考までに記録に残したいと思います。

<プロジェクト概要>
・海外に本社を持つ、オフィス用品Web通販の会社
・本社では既にBaanを使っていた。既使用の倉庫管理パッケージやWebポータル(自前開発)を日本でも利用。
4月頭からBaan導入プロジェクト開始、GWに営業(本番稼働)開始。
・社外のコールセンターを利用。
Webポータルから入ってくる顧客登録情報、注文情報をBaanに取り込み、Baanから物流委託業者の倉庫管理システムへ出荷指示を行う。
・商品仕入は海外からの輸入もあったが、大半は国内仕入(文具中心)
・海外本社への連結のため、(基本的には)本社指定の勘定科目を使用した会計管理

3月>
お客様来社し「GW明けに商売を開始したいので1カ月でシステムを立ち上げて欲しい」と依頼受ける。
早速、海外のデータセンタへ日本法人用のBaanインストールを実施。

41週目:プロジェクト・キックオフ&初期設定>
常駐メンバーはY氏(会計業務担当)、S氏(販売物流、仕入業務担当)&私(雑役夫)。
監査法人からも一人常駐し、内部統制などの仕組みを一緒に構築。
新規設立法人でもあり、FIT&GAP分析をやっている時間もないので、デモ環境をそのまま使う感じでパラメータ設定、主要マスタのコード設計&設定を終える。

42週目:ビジネスプロセスの設計&検証>
綿密に業務設計する時間もお客様の工数も無いので、どんどん進めて、一通りの業務がBaanで動くように完成。
倉庫管理システムとの連携を開発開始。米国のパートナーが開発したBaan自動化ツールを利用して開発(外部開発会社へ委託)。いやあ、これはヒヤヒヤもんでした。
お客様専任メンバーにて品目マスタ(当初は約4,000品目で営業開始)の整備を開始。一日中Excelにデータを打ち込んでBaanに取り込む作業を本番稼働まで繰返し。
実はこの時点で海外本社(日本向けBaan本番機)と日本オフィスの回線が通じてなく、Baanの導入作業は持ち込んだデモ環境(ノートPC)で行っていました。本番稼働まであと2週間なのに。。。

43週目:システムテスト&操作マニュアル作成>
登録された品目を使って一通りの業務をお客様と検証&トレーニング&その場で操作マニュアル作成。
海外本社の日本向けBaan本番環境とようやく回線がつながるも日本オフィスからFTP出来ず。Hotmailに移行データや設定情報を添付して、海外のターミナルサーバーに接続し、HotmailからダウンロードしたデータをBaanにインポートし・・・ドタバタですね。

44週目:統合テスト&エンドユーザトレーニング>
BaanWebポータルや出来あがってきたWMS連携をつかってWMSと連携させて動かしてみた。Webポータル開発はお客様海外本社の方。。。文字化け。。。
同フロアにあるコールセンターまでLANケーブルを数十メートル引いてオペレータにBaanの操作教育。
5月の営業開始に合わせ販促グッズのロゴ入りティッシュをBaanで発注してみる・・・「Webサイトオープン記念!!!ティッシュ5箱パックプレゼント。在庫2,000パック限り」・・・2,000パック発注したはずが10,000パック(50,000個!!!)届き、倉庫に入らない。。。

5月1週目:本番稼働>
日本でのWebサイトを正式オープンし、「初日で数万オーダーとか来たらどーするぅ?」みたいに緊張していたら・・・GWなので注文はぽつぽつでした。

52週目>
本番運用支援をしつつ、Baanプロジェクト側メンバーは積み残しの開発作業(月次帳票関連など)を粛々とこなす。

53週目>
Baanプロジェクト側メンバーは積み残しの開発作業(月次帳票関連など)を粛々とこなす。

54週目>
お客様へ色々引き継ぐ。5月末を持って本番稼働支援も終了。若干の追加開発を残して常駐解除。怒涛の2カ月間でした。

1歩でも後戻りしたら本番開始には間に合わないという中、プロジェクト開始時にイメージした運用、設定、開発を仕様書も何も無く(書いている暇がない)、ワーーーーーーーーーーーっと実現したという感じです。今だと内部統制上問題あるかもしれませんね。