今回のよもやま話には私見が沢山入ります。
1998年頃、バーン社には「Target Enterprise」という導入方法論がありました。これは、日本語訳され、パートナー向けに販売もしていました。確かCD1枚+マニュアル数百ページでウン万円でした。
これは、ERP導入プロジェクトのコンフィグレーションツール(日程、体制、成果物サンプル、など)を中心に、導入前の作業、導入後の作業までカバーされたBaanコンサルタント必携のツールでした。現インフォア社のように複数のERPを持っていませんでしたので、「これを使えばBaanの導入がバッチリOK!」というものでした。
ところが、その後バーン社は様々な製品を買収し、導入プロジェクト計画も複雑になり、前述の「Target Enterprise」では対応できなくなってきました。それで、Baan5.0cがリリースされた時、Target Enterpriseも新版が出ました。この版では、CRMやSCM製品との組合せで導入した時のプロジェクト計画自動作成もカバーされていました。誰も日本語訳してくれないので、個人的に日本語訳しました。世界中で「Target Enterprise phase 3 日本語版」を持っているのは私だけかもしれません。
なぜ、私がせこせこと翻訳したかというと「使えるツール」だったからです。現インフォアのように思想が違う複数のERPがある訳ではなかったので、あくまでも「Baanおよびそのオプション」を導入する為の詳細なプロジェクトタスクや、注意・留意事項がズバリ使えるかたちで生成されました。
もちろん、プロジェクト毎に色々と調整・修正することは必要ですが、根底に「Baan DNA」がしっかりと埋め込まれたプロジェクト計画が作成されました。
現インフォアのように「思想(DNA)が異なるERP」を複数持っている会社の場合、全製品共通の詳細な導入方法論を確立するのは困難であり、各製品が持っているメリットを殺してしまい、かえって悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。LNとSyteLineでは、導入タスクもプロジェクト体制も、お客様との役割分担も異なるはずですし、異なるからこそ各製品が持つ特長も生きるような導入ができるはずです。
LNの世界一の製造業向け機能を十分に生かすような導入ができるような(Target Enterpriseのような)導入方法論を確立しないといけないなぁ、と思う今日この頃です。
次回は、【LNよもやま話 #9 導入テンプレート(仮題)】をお伝えしたいと思います。パートナー様が作成した導入方法論&アドオンパックをご紹介したいと思います。